
70代を目前にすると、体力や健康の変化、仕事をいつまで続けるか、役割が減った後の時間をどう使うかなど、さまざまなことが気になります。しかし、仕事や趣味、人付き合いをどうするかは人それぞれで、一つの形を正解とすることはできないと思います。
私は1957年生まれで、まだ70代を経験しているわけではありません。一方で、2013年から介護の仕事を続け、70代以上の利用者を見てきました。その経験からも、それまでの暮らし方や認知機能の状態によって、年を取ってからの過ごし方には大きな個人差があると感じています。
私が考える前向きな老後は、若い頃と同じように無理をすることではありません。体力や役割の変化を受け入れ、今できることを続けること。そして、周囲や支援を初めから当てにせず、自分の時間と楽しみを自分で組み立てていくことです。
●この記事でわかること
- 体操、掃除、草刈りなど、今の暮らしの中で続けている小さな行動
- 食事量や疲れ方の変化に合わせた、食事と睡眠への向き合い方
- 70歳まで働きたい理由と、夜勤や老後のお金について感じている不安
- 役割の喪失や孤独をどう捉え、できる限り支援に頼らず暮らしたいと考える理由
- 仕事を辞めて自分の時間が増えたら、やってみたいこと
今は仕事と家のことに追われ、趣味を楽しむ時間も気力もほとんどありません。それでも、今できることを自分で続け、将来やりたいことを持っておくことはできます。70代を目前にした私の現実の暮らしと、介護現場で学び取ったことをもとに、これからの生き方を考えます。
70代の老後の生き方に一つの正解はない

私は1957年生まれで、まだ70代を経験しているわけではありません。この記事で書くのは、70代を目前にした今の私が、自分の暮らしと介護現場で見てきた高齢者の姿から考えていることです。
2013年から介護の仕事を続けるなかで、70代以降の暮らし方は本当に人それぞれだと感じてきました。仕事や地域のコミュニティで指導的な立場やまとめ役をしてきた人、友人と話したり、遊びや旅行に出かけたりすることが好きだった人、一人で何かをしていることが多かった人。それまでどのように暮らしてきたかによって、年を取ってからの過ごし方も違います。認知機能の状態や進み方によっても、その違いはさらに大きくなります。
ですから、70代になったら仕事を続けるべきだ、趣味や友人を増やすべきだと、一つの形に決めることはできないと思います。大切なのは、若い頃と同じ暮らしを無理に保つことではなく、今の自分にできることと、自分が本当にしたいことを考えることではないでしょうか。
私自身は、年を取ることを悲観するより、体力や役割が変わっていくことを受け入れ、自分に合う70代の暮らし方を考えていきたいと思っています。
特別な運動より、暮らしの中で体を動かす

今の私は、仕事やブログ記事の執筆の合間に、簡単な体操や運動をしています。掃除や草刈りも運動代わりです。
仕事やブログ執筆の合間に簡単な体操をする
まとまった時間を取るのではなく、介護の仕事やブログ執筆などの合間に体を動かします。今の生活のなかで続けられる方法です。
若い頃のように、疲れていても無理を押して何かを続けることは難しくなりました。体力が落ちてきたことは事実ですが、それなら、できる範囲でこまめに動けばよいと思っています。
掃除や草刈りも体を動かす機会と考える
私が住んでいるのは田舎の古い家です。部屋数が多く、庭もあり、周囲には畑や田んぼがあります。掃除や草刈りをするだけでもかなり大変です。妻もいますが、私も料理や皿洗いをします。
家や庭の手入れは大変ですが、掃除や草刈りを運動の代わりと考え、老化防止にも役立っていると思いながら続けています。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 高齢者版」でも、身体活動には運動だけでなく、家事や労働などの生活活動が含まれるとされています。また、目安とされる運動量に達しなくても、少しでも体を動かすことが勧められています。
私にとっては、特別な運動を新しく始めることより、今の暮らしの中にある作業を自分で続けるほうが現実的です。
食事と睡眠は、今の生活に合わせて整える

夜勤を含む仕事のため勤務時間は一定せず、毎日決まった時間に食事をすることは難しいのが現状です。一方、睡眠については、年齢とともに疲れやすくなったことが、以前より早く眠ることにつながっています。
完璧にはできなくても、食事の偏りを減らす
年齢とともに、若い頃のようにたくさん食べることができなくなりました。不規則な勤務もあり、栄養バランスのよい食事を毎回きちんと用意できているとは言えません。それでも、できるだけ栄養が偏らないように心がけています。
厚生労働省の「高齢者の低栄養予防」では、高齢になると食欲不振などから食事量が減り、低栄養になることがあると説明されています。また、農林水産省の「食生活指針」では、主食、主菜、副菜を基本に、多様な食品を組み合わせることが示されています。
私も食事を完璧に管理できているわけではありません。今は、食べられる量のなかで偏りを小さくすることを意識しています。
眠気に逆らわず、疲れたら眠る
65歳を過ぎてからは、8時間の仕事をするだけでもかなり疲れるようになりました。その反面、以前よりもスムーズに眠れるようになったと感じています。
若い頃なら、眠くても寝ずに何かを続けることができました。今はもう、とても無理です。眠気が来たら眠るため、現在はおおむね夜12時前には寝て、朝8時までには起きる生活になっています。私自身は、以前よりよい睡眠の取り方ができていると受け止めています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠時間だけでなく、眠って休養が取れたと感じられることも重視されています。また、必要な睡眠には、健康状態や生活環境などによる個人差があるとされています。
私にとって今大切なのは、何時間眠るべきかという数字より、疲れているときに眠気へ逆らわないことです。
70歳までは働きたいが、夜勤をいつまで続けられるかは分からない

今の気持ちとしては、最低でも70歳までは介護の仕事を続けたいと思っています。ただし、夜勤をいつまで続けられるか、70歳になったときに今と同じように働く体力があるかは分かりません。
生活費への備えと、働く目的の両方がある
働き続けたい理由の一つは、お金です。仮に100歳まで生きるとすれば、私の場合は年金だけではとても足りず、今の貯金も十分ではありません。将来働けなくなったときの生活費を考えると、できる間に少しでも蓄えを増やしておきたいという心配があります。
同時に、仕事は収入を得るためだけのものでもありません。週休2日で、夜勤もあり、勤務時間はばらばらですが、目的を持って仕事をしていることが、かえって私にモチベーションを与えていると感じます。
内閣府の「令和8年版高齢社会白書」によると、2025年の就業率は65~69歳で54.5%、70~74歳で36.2%、75歳以上で12.6%でした。70代になっても働いている人がいることが、この数字からも分かります。
70歳から先のことは、そのときの体力で考える
体力は年齢とともに衰えるものです。健康についても、若い頃と同じというわけにはいきません。今から「何歳まで必ず働く」と決めても、その年齢になったときの自分の体がどうなっているかは分かりません。
まずは70歳を一つの区切りとして働き、その先は実際の体力を見て考える。それが今の私に言える正直な答えです。夜勤をいつまで続けられるかも、そのときの体力を見て判断するしかありません。
役割を失うことを、自分の時間が増えることだと考える

「高齢者の役割の喪失」については、さまざまなところで語られています。私は、年を取るということは、役割を少しずつ失っていくことでもあると、初めから覚悟しておくべきだと考えています。
年を取れば役割は少しずつ失われていく
仕事を辞めれば、職場で担っていた役割はなくなります。地域や家庭でできることも、体力の低下とともに変わっていくでしょう。そのたびに、寂しい、悲しいとだけ考えていたら、失ったものばかりを見ることになります。
私は、役割がなくなることを「自分の時間を100%自分のために使えるようになる」と考えたいと思っています。
役割を失わないために無理をするより、役割が減った後の時間を何に使うかを自分で決める。そのように考えれば、老後は失うだけの時間ではなくなります。
私は孤独をそれほど怖いとは思わない
私の人付き合いは、ごく近所や地域のコミュニティ、職場の人が中心です。もともと積極的に外へ出る性格ではありませんし、年齢とともに、人と会うために出かけることを億劫に感じるようにもなりました。
それでも、私は孤独をあまり苦にしません。一人きりなら、自分の好きなことができるので、むしろよいと思うこともあります。「死ぬときは一人」と考えていれば、孤独を怖いとも感じません。
今は妻との買い物や外食、ドライブがよい気分転換になっています。人との付き合いをたくさん持つことより、自分に合った距離で人と関わり、一人の時間も楽しめればよいと私は思っています。
できる限り支援を受けず、自分でできることを続けたい

介護現場で多くの高齢者を見てきて、私が感じていることがあります。私が見てきたなかでは、人に頼ろうとする気持ちが強い人ほど、人にしてもらうことが増え、自力でできることが少なくなっていく場合が多いということです。これは、施設で暮らす高齢者の姿を見て、私が学び取ったことです。
だから私は、家族や周囲が自分を楽しませてくれる、寂しさを埋めてくれる、役割を与えてくれると期待して待つのではなく、自分の楽しみは自分で見つけたいと思っています。公的支援や介護サービスについても、初めからそれを当てにするのではなく、できる限り受けずに暮らす姿勢でいたいと考えています。
最終的には、何らかの形で誰かの世話にならざるを得ない時期が来るでしょう。それでも、初めから誰かに頼ることを前提にする考え方は、逆に自分を弱くすると私は考えています。
自分で料理や皿洗いをし、掃除や草刈りをする。今の私にできる老いへの備えは、自分でできることを一つずつ続けることだと思っています。
仕事を辞めた後にやりたいことは、いくつもある

現在は、仕事と家の掃除や草刈りなどで精いっぱいです。何かを趣味として楽しむ時間も、そうしようと思う気力もほとんどありません。
しかし、仕事を辞めて自分の時間が増えたら、してみたいことはいくつもあります。
まず、「カレギー日記」の執筆を続けるだけでなく、別のブログも立ち上げたいと思っています。妻との外出やドライブでは、今よりもっといろいろな場所へ、時間をかけて行きたいです。
十分にできていない家や庭の手入れも、もっときちんとしたいと思っています。料理は今も自己流でしていますが、基本からきちんと覚え、もっとおいしいものを作れるようになりたいです。
役割が減れば、自分で使える時間は増えます。その時間に何をするかを周囲に決めてもらう必要はありません。今すぐ趣味を増やせなくても、時間ができたときにやりたいことを自分で持っている。それが、70代から先を前向きに考える理由の一つになっています。
よくある質問
Q:70代から新しいことを始めても遅くないですか?
A: 年齢だけで遅いと決める必要はないと私は思います。私自身、仕事を辞めて時間が増えたら、別のブログを立ち上げること、料理をきちんと覚えること、家や庭の手入れなどをしたいと考えています。何を始めたいかは、それまでの暮らし方や本人の希望によって違います。
Q:70代でも仕事を続けたほうがよいですか?
A: 一律に続けたほうがよいとは言えません。仕事を続けるかどうかは、体力、健康、生活費、本人の希望によって異なります。私は最低でも70歳までは働きたいと思っていますが、その先は実際の体力を見て考えるつもりです。
Q:人付き合いが少ないと、前向きに暮らすのは難しいですか?
A: 人との関わり方や孤独の感じ方は人それぞれです。私の人付き合いは近所や地域のコミュニティ、職場が中心ですが、一人の時間を苦にしていません。妻との買い物や外食、ドライブも気分転換になっています。付き合いの多さより、自分に合った距離で人と関わることが大切だと私は考えています。
まとめ|自分の時間と楽しみは、自分でつくっていきたい

70代からの老後の生き方に、一つの正解はありません。それまでの暮らし方や性格、認知機能の状態によって、年を取ってからの過ごし方は大きく違うと、私は介護現場で感じてきました。
若い頃と同じように無理をするのではなく、体力や役割の変化を受け入れながら、今の自分にできることを続ける。それが、私の考える前向きな暮らし方です。
- 仕事やブログ執筆の合間の体操に加え、掃除や草刈りも体を動かす機会にしている
- 食事を完璧に管理できなくても偏りを減らし、疲れたときは眠気に逆らわない
- 生活費への備えと働く目的のために、まずは70歳まで仕事を続けたいと考えている
- 役割が減ることを「自分の時間を100%自分のために使えるようになる」と捉えたい
- 周囲や支援を初めから当てにせず、自分でできることをできる限り続けたい
- 退職後は、別のブログ、妻との外出、家や庭の手入れ、料理など、やりたいことがいくつもある
年を取れば、体力も役割も変わります。仕事をいつまで続けられるかも、その年齢になってみなければ分かりません。それでも、失うものばかりを見るのではなく、増えた時間を何に使うかは自分で考えられます。
自分の楽しみを周囲に用意してもらうのを待つのではなく、自分で見つける。料理や掃除など、今できることは自分で続ける。その積み重ねの先に、自分なりの70代の暮らしがあるのだと思っています。
