
親の在宅介護を続けるなかで、食事や排泄の介助が増えても、「自分が頑張れば何とかなる」と対応し続けてはいないでしょうか。介護に追われていると、自分が「きつい」と感じていることに気づく余裕さえなくなる場合があります。
在宅介護は、「もう無理だ」と感じるまで続けなければならないものではありません。介助量や見守りの時間、介護者の仕事や体力を確認し、限界を迎える前に続け方を見直してよいと思います。それは、親を大切にしていないという意味ではありません。
私自身、要介護3だった母を約1年間自宅で介護しました。母を最期まできちんと介護したいという気持ちがあり、当時は在宅介護を「きつい」とはっきり考えていたわけではありません。しかし、母が食事や排泄を自力で行うことが難しくなり、仕事を続けながら家族だけで支えることは難しいと判断しました。
●この記事でわかること
- 在宅介護の続け方を見直す判断の目安
- ケアマネジャーへ相談するときに伝えたいこと
- 介護サービスや福祉用具を見直すポイント
- 仕事との両立や施設入所を含む選択肢
在宅介護を続けるか、すぐに施設へ移るかという二つの選択肢だけではありません。現在の介護を具体的に整理し、どの支援を取り入れれば本人と家族の生活を続けられるのか、私の経験を交えながら順に考えていきます。
在宅介護は「きつい」と思う前に続け方を見直していい

在宅介護の続け方を見直すのは、「もう無理だ」「限界だ」と感じてからでなければならないわけではありません。
介護に必死で向き合っていると、自分がきついかどうかを立ち止まって考える余裕さえなくなることがあります。
私自身、母の在宅介護をしていた当時、「在宅介護はもうきつい」とはっきり考えていたわけではありませんでした。
当時は「きつい」と考える余裕もなかったのかもしれない
私には、自分を生み育ててくれた母なのだから、最期くらいはきちんと面倒を見てあげたいという気持ちがありました。
その一方で、私自身も老化を感じるようになっていました。仕事を続けながら母を介護する毎日は、実際には大変でした。
それでも当時は、目の前で必要になる介護へ対応することに必死でした。
今振り返ると、「きつい」と思わなかったというより、きついかどうかを考える余裕もなかったのかもしれません。
これは現在振り返っての受け止め方であり、当時の私が「限界だった」と考えていたという意味ではありません。
気持ちの限界ではなく、介助量と生活条件を確認する
私が在宅介護の継続は難しいと判断したのは、気持ちが折れたからではありません。
母が食事や排泄などを自力で行えなくなり、家族による介助が必要になってきたことが大きな理由でした。
母を介護したい気持ちはありました。それでも、増えてきた介助と、自分の仕事や生活を両立できるかどうかは、気持ちだけでは決められません。
在宅介護を見直すときは、「まだ我慢できるか」だけで判断するのではなく、どのような介助が必要なのか、どれくらいの見守りが必要なのか、自分の仕事や生活を維持できるのかを具体的に考える必要があります。
「きつい」と言葉にできていなくても、介助量と生活条件が両立しなくなっているなら、介護の続け方を見直す理由になります。
まずケアマネジャーに現在の状況をそのまま伝える

在宅介護の続け方を見直したいとき、担当のケアマネジャーがいる場合は、現在起きていることをそのまま伝えることが最初の一歩になります。
相談するときに伝えるのは、親の状態だけではありません。家族が行っている介助、見守りに必要な時間、介護者の仕事や生活についても、できるだけ具体的に伝えます。
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、ケアマネジャーが本人の心身の状態や生活環境などを把握し、本人や家族と話し合いながらケアプランを作成する流れが示されています。
必要な介助と見守りの時間を書き出す
介護に追われていると、家族が何をどれだけ行っているのか、自分でも分からなくなりがちです。
相談する前に、たとえば次のようなことを書き出しておくと、現在の状況を伝えやすくなります。
- 食事、排泄、入浴、着替えなどで介助していること
- 一日に何度くらい対応が必要になるか
- 本人を一人にすることが心配な時間
- 転倒や体調変化など、家族が不安に感じていること
- 現在利用しているサービス
- 本人が利用したがらないサービスや、使いにくい福祉用具
私の場合は、母が食事や排泄を自力で行うことが難しくなり、家族が支える範囲が広がっていきました。
ただ「大変です」と伝えるだけでなく、どの場面でどのような対応が必要になっているのかを整理することで、見直すべき部分が見えやすくなります。
仕事・収入・介護者自身の体力も相談内容に含める
親に必要な介護だけを見ても、在宅介護を続けられるかどうかは判断できません。
介護する家族の仕事、収入、年齢、体力、ほかの生活上の事情も、介護の継続に関わります。
私の場合も、生活費を得るために仕事を続ける必要があり、自分自身の老化も感じていました。
こうした事情は、介護とは無関係な家族の都合ではありません。どのようなサービスを、いつ利用する必要があるのかを考えるための条件です。
「家族なのだから、自分の仕事や生活のことを持ち出してはいけない」と考えず、続けられる介護の形を考えるために必要な情報として伝えます。
担当者がいなければ地域包括支援センターへ相談する
担当のケアマネジャーがいない場合は、親が暮らしている地域の地域包括支援センターが相談先の一つになります。
厚生労働省によると、地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談機関です。介護に関する不安だけでなく、高齢の家族の生活や仕事との両立についても相談できます。
地域によって担当区域や名称が異なるため、市区町村の介護保険担当窓口などで確認します。
相談したからといって、すぐにサービスの追加や施設入所を決めなければならないわけではありません。まず現在の状況を伝え、どのような選択肢があるのかを知るための相談と考えられます。
介護サービスは「あるか」より実際に使えるかで考える

在宅介護を見直すときは、利用できるサービスの種類を知るだけでなく、本人が実際に利用できるかまで考える必要があります。
訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、それぞれ支援の方法は異なります。しかし、サービスが存在しているからといって、家族の予定どおりに利用できるとは限りません。
本人の体調や気持ち、生活環境、地域の事業所の状況などを踏まえ、担当のケアマネジャーと利用方法を検討します。
デイサービスを母が利用したがらなくなった
母は以前、デイサービスへ自分から通っていました。
ところが、2025年の年明けに転倒して額にけがをし、その後に体調を崩した頃から、デイサービスへ行きたがらなくなりました。
なぜ行きたくなくなったのか、母の気持ちを私が代わりに説明することはできません。
家族としては、デイサービスを利用してくれれば安心できます。母がサービスを利用している間は、介護する側が仕事や自分の用事に時間を使うこともできます。
しかし、本人が利用したがらなければ、家族の計画どおりには進みません。
通所介護(デイサービス)では、日帰りで食事や入浴などの支援、機能訓練等を受けられ、本人の生活機能の維持や家族の介護負担を軽くすることも目的とされています。
ただし、制度上利用できることと、本人が無理なく通い続けられることは別の問題です。
本人が嫌がる場合は、家族だけで無理に行かせるか中止するかを決めず、体調や利用中の様子を確認し、担当者と利用方法や別の選択肢を考えます。
訪問介護で自宅へ支援に来てもらう選択肢
通所サービスを利用しにくい場合には、自宅へ支援に来てもらう方法もあります。
訪問介護では、ホームヘルパーが利用者の自宅を訪れ、食事、排泄、入浴などの身体介護や、本人の生活に必要な生活援助を行います。
ただし、家族のための家事など、介護保険の訪問介護では対象にならない行為があります。また、どの支援をどの程度利用できるかは、本人の状態やケアプランなどによって変わります。
訪問介護については、この記事では私自身の利用体験として扱いません。在宅介護を見直す際に確認できる一般的な選択肢として紹介しています。
実際に利用できる支援内容は、担当のケアマネジャーなどへ確認する必要があります。
ショートステイで介護から一時的に離れる選択肢
介護する家族が休む時間を確保したい場合や、一時的に自宅での介護が難しい場合には、ショートステイも選択肢の一つです。
短期入所生活介護(ショートステイ)は、本人が施設へ短期間入所し、食事や入浴などの日常生活上の支援を受けるサービスです。家族の介護負担を軽減することも、制度上の目的に含まれています。
ショートステイについても、私自身の利用体験として書くものではありません。
本人の状態、空き状況、地域で利用できる事業所などによって、希望する時期に利用できるとは限りません。必要になった当日に必ず利用できるサービスとは考えず、どのようなときに利用できるのかを事前に相談しておく選択肢として扱います。
どれか一つのサービスを選べば、必ず在宅介護を続けられるわけではありません。
本人が利用できることと、介護する家族の生活を支えられること。その両方を確認しながら、必要なサービスを検討します。
福祉用具は本人と住環境に合うかを見直す

福祉用具は、借りればそれだけで介護の負担を減らせるものではありません。
本人の身体状態だけでなく、家の構造、設置できる広さ、本人が実際に使えるかどうかを確認する必要があります。
私の母の場合も、継続して利用できた用具と、本人に合わず返却した用具がありました。
上がりかまちステップは自宅にいる間利用できた
母が暮らしていた家は古く、土間から床へ上がるところに段差がありました。床へ上がった先は畳の部屋です。
2020年に母が脳梗塞で倒れた後、担当のケアマネジャーから勧められ、「上がりかまちステップ」と「浴槽用手すり」を借りました。
上がりかまちステップは、土間から畳の部屋へ上がるときの段差を小さくするために使いました。
こちらは母が自宅で暮らしている間、継続して借りていました。
福祉用具貸与では、日常生活上の自立を助けるための用具を借りられます。対象となる品目や利用条件は、要介護度などによって異なります。
私の場合、上がりかまちステップは、母の状態と古い家の段差に合ったため、継続利用につながりました。
浴槽用手すりは本人に合わず返却した
一方、浴槽用手すりは継続して利用しませんでした。
母は、その手すりを使わなくても浴槽へ入ることができました。また、手すりを設置すると浴槽内のスペースがかなり狭くなりました。
母自身も気に入らなかったため、浴槽用手すりは返却しました。
借りた用具を返却したからといって、福祉用具の利用そのものが失敗だったとは思いません。
実際に家へ置いてみなければ、使いやすさや必要性が分からないこともあります。
本人が使わない、設置場所が狭くなるといった場合には、そのまま使い続けるのではなく、担当者へ伝えて見直すことが必要です。
福祉用具について大切なのは、「何を借りたか」だけではありません。
本人が無理なく使えるか、家の構造に合っているか、介護する家族にとっても扱いやすいかを確認し、合わなければ変更や返却を相談します。
仕事を辞めずに介護するために働き方も確認する

在宅介護を続けられるか考えるとき、介護サービスだけでなく、仕事との両立についても確認する必要があります。
親に何かあればすぐ対応したいと思っても、仕事や収入をなくしてしまえば、介護者自身の生活が成り立たなくなることがあります。
私の場合も、母の介護だけを考えて仕事を辞めることはできませんでした。
仕事と介護を両立することが難しいと判断した理由
母が食事や排泄を自力で行えなくなってくると、必要なときにすぐ対応するためには、ほぼ常に自宅にいる必要がありました。
しかし、私は自分の生活費を得るためにも、仕事を辞めることができませんでした。
私の勤務する介護現場は人手に余裕がなく、母に何かあったからといって、急に休むなど自分の都合だけで動ける状況ではないと考えていました。
自分自身も老化を感じるなかで、仕事をしながら母を介護することは大変でした。それでも当時は、目の前の介護へ対応することに必死でした。
母を介護したいという気持ちと、仕事を続けなければならない現実のどちらかが間違っていたわけではありません。
ただ、母に必要な介助が増えたことで、その二つを同時に続けることが難しくなりました。
私が在宅介護を見直したのは、母の介護が嫌になったからではなく、介助量と仕事を両立できないと判断したからです。
現在は仕事と介護の両立支援制度も確認できる
仕事を続けながら家族を介護している人は、勤務先で利用できる制度についても確認できます。
厚生労働省の介護休業制度特設サイトでは、介護休業、介護休暇、短時間勤務等、所定外労働の制限など、仕事と介護を両立するための制度が案内されています。
また、育児・介護休業法改正の案内によると、2025年4月から、介護休業や介護両立支援制度等を利用しやすくするための雇用環境整備や、介護に直面した旨を申し出た労働者への個別の周知・意向確認が、事業主に義務づけられています。
ただし、利用できる制度や手続きは、雇用形態、対象となる家族、勤務先の規定などによって異なります。
制度があるからといって、希望した働き方が必ずできると断定することはできません。まず勤務先の担当部署などへ確認し、制度上の疑問があれば都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などへ相談します。
ここで現在の制度を紹介するのは、私の介護当時の勤務先を評価するためではありません。
今、仕事と介護の間で悩んでいる人が、介護サービスだけでなく、働き方についても確認できる選択肢があることを知るためです。
仕事を辞めるか、介護を諦めるかという二つだけで考えず、利用できるサービスと勤務上の制度を一緒に確認します。
施設を調べることは在宅介護を諦めることではない

在宅介護を見直すときは、自宅で利用するサービスだけでなく、施設について情報を集めることも選択肢になります。
施設について相談したからといって、すぐに入所を決めなければならないわけではありません。
本人の状態がさらに変化した場合にどのような選択肢があるのか、地域にはどのような施設があるのかを知っておくことと、実際に入所を決断することは分けて考えられます。
母の食事・排泄・転倒の変化から施設を考えた
母の施設入所を考えるようになった背景には、一つの決定的な出来事があったわけではありません。
2025年の年明けに母が転倒してけがをし、その後に体調を崩しました。それから、それまで自分でできていたことが少しずつ難しくなっていきました。
自力だけでは食事を取りにくくなり、自分からトイレへ行かなくなって失禁も増えました。それまでほとんどなかった転倒も増えていきました。
こうした変化が重なるなかで、仕事を続けながら自宅で母を支えることは難しくなってきたと判断しました。
それでも、施設を考え始めてすぐに入所を決めたわけではありません。
ケアマネジャーへ相談し、地域で利用できる老健を選んだ
施設入所について具体的に考えなければならないと思ったのは、2025年11月初め頃です。
12月初めに担当のケアマネジャーへ相談し、姉にも母の状況を伝えました。姉からは「任せる」と言われ、最終的には私自身が判断しました。
母の入所先として選んだのは、介護老人保健施設、いわゆる老健でした。
ただ、数多くの施設を比較し、「老健が最もよい」と判断したわけではありません。
私が暮らしているのは田舎で、利用できる施設の選択肢は多くありませんでした。母の状態と地域の事情を踏まえ、ケアマネジャーの助言を受けて老健を選びました。
介護サービス情報公表システムでは、在宅サービス、短期入所、施設サービスなどが案内されています。ただし、施設の種類、対象者、空き状況などは、本人の状態や地域によって異なります。
施設を検討するときも、一般的な説明だけで判断せず、本人が暮らす地域の状況を確認する必要があります。
情報を集めることと入所を決めることは別に考える
私の場合、施設を考え始めてから実際に決断するまでには長い時間がかかりました。
施設について調べたり、ケアマネジャーへ相談したりすることは、親をすぐに施設へ預けると決めることではありません。
どこまで自宅で介護を続けられるのか。必要な介助がさらに増えたら、どのような支援を受けられるのか。地域に利用できる施設があるのか。
こうした情報を知ったうえで、在宅介護を続けるのか、サービスを見直すのか、施設を検討するのかを考えます。
施設を利用することは、家族が介護をすべてやめることではありません。
私にとっては、自宅で自分だけが支える形から、施設の職員にも支えてもらう形へ変える選択でした。
施設入所を一律に正解とするのではなく、本人と家族の生活を維持するために、介護を担う人と場所を組み直す選択肢の一つとして考えます。
見直す時期には一つの正解があるわけではない

在宅介護をいつ見直すべきかについて、すべての家庭に当てはまる時期を決めることはできません。
本人に必要な介助、家族構成、仕事、収入、住環境、地域で利用できるサービスなどが、それぞれ違うからです。
私自身、今振り返っても、「もっと早く見直せばよかった」と明確に思うことは特にありません。
今も「もっと早く見直せばよかった」と明確には思わない
母の在宅介護では、デイサービスへ行きたがらなくなったことや、福祉用具が本人に合わず返却したことがありました。
施設についても、考え始めてから実際に決断するまで長い時間がかかりました。
それでも、現在の私には、「あのサービスをもっと早く利用すればよかった」「もっと早く施設へ預ければよかった」と、はっきり挙げられるものはありません。
これは、当時の選択がすべて最善だったと断定する意味ではありません。
その後の経過まで知っている現在から振り返った結果論かもしれませんが、少なくとも、今の私が新しい後悔や教訓を作って語ることはできません。
実際に介護している最中は、その後どうなるか分からないなかで判断しなければなりません。
その家庭で続けられる介護の形を考える
介護サービスや福祉用具、働き方、施設には、それぞれ利用条件があり、本人との相性や地域の状況も関係します。
どれか一つを選べば解決するものではありません。
本人が利用できるか。家族の生活を維持できるか。地域で実際に利用できるか。
その条件を確認しながら、その家庭で続けられる介護の形を考えていきます。
在宅介護を続けることだけが成功でも、施設を選ぶことが失敗でもありません。
見直しの目的は、過去の介護が正しかったか間違っていたかを決めることではなく、本人と介護する家族が、その時点で続けられる形へ介護を組み直すことです。
よくある質問
Q:自分では限界だと思っていなくても、介護について相談してよいですか?
A:限界だと感じていることは、相談するための条件ではありません。必要な介助が増えた、見守りのために仕事や生活へ影響が出ているなど、現在起きていることを担当のケアマネジャーへ伝えられます。担当者がいない場合は、地域包括支援センターなどが相談先になります。
Q:ケアマネジャーには何を伝えればよいですか?
A:本人の状態だけでなく、食事や排泄など家族が行っている介助、対応が必要な時間、本人を一人にすることへの不安、介護者の仕事や体力についても伝えます。簡単に書き出しておくと、現在の介護量と生活上の制約を共有しやすくなります。
Q:本人がデイサービスや福祉用具を嫌がる場合は、どうすればよいですか?
A:家族だけで無理に継続するか中止するかを決めず、本人の体調や利用中の様子、実際の使いやすさを担当者へ伝えます。私の母の場合、上がりかまちステップは継続して利用しましたが、浴槽用手すりは本人に合わず返却しました。サービスや用具が本人と生活環境に合うかを見直すことが必要です。
Q:ショートステイを相談したら、施設入所を決めることになりますか?
A:ショートステイは、本人が短期間施設へ入所して日常生活上の支援を受けるサービスです。長期的な施設入所とは別の選択肢なので、相談や情報収集をしただけで施設入所を決めることにはなりません。利用できる条件や空き状況は地域などによって異なります。
Q:仕事と介護の両立制度について、どこへ確認すればよいですか?
A:まずは勤務先の担当部署などへ確認します。制度上の疑問は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)なども相談先です。介護休業、介護休暇、短時間勤務等には条件があるため、誰でも同じように利用できるとは限りません。
まとめ|「きつい」と言葉にできる前でも介護は見直せる

私は、母の在宅介護をしていた当時、「もうきつい」とはっきり考えていたわけではありませんでした。
自分を生み育ててくれた母なのだから、最期くらいはきちんと面倒を見たいという気持ちがありました。その一方で、自分自身も老化を感じながら仕事と介護を続けることに必死で、きついかどうかを考える余裕もなかったのかもしれません。
母が食事や排泄を自力で行うことが難しくなり、必要なときに対応するには、ほぼ常に自宅にいる必要が出てきました。しかし、生活費を得るために仕事を辞めることはできませんでした。
そこで私は、気持ちの限界ではなく、必要な介助と仕事を両立できるかという現実から、在宅介護を見直しました。
在宅介護を支える方法には、訪問・通所サービス、ショートステイ、福祉用具、仕事との両立制度、施設などがあります。ただし、サービスが存在しても、本人が利用できるとは限りません。住環境や地域の事情によって、実際に選べるものも変わります。
今振り返っても、私には「もっと早く見直せばよかった」と明確に思うものはありません。だからこそ、すべての家庭に共通する正しい時期を示すこともできません。
在宅介護を続けることだけが成功でも、施設を選ぶことが失敗でもありません。
介護を見直すことは、親を見放すことではなく、本人と介護する家族が、その時点で続けられる形へ介護を組み直すことだと、私は考えています。
●出典
