認知症グループホームで働く介護職の本音|「その人らしさは消えない」はきれいごと

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認知症グループホームで働く介護職の本音|「その人らしさは消えない」はきれいごと

認知症グループホームへの就職や親の入居を考えるとき、「少人数で家庭的な施設なら、穏やかに過ごせるのではないか」と思うかもしれません。しかし、複数の利用者が同じ生活空間で暮らす現場には、理念や見学だけでは見えにくい厳しさがあります。

私の勤務中にも、一人の利用者へ説明している途中で、別の利用者から呼ばれ、さらに食事や排泄の介助が重なることがあります。何度説明しても話がかみ合わず、その間も他の利用者への対応が必要になる。介護職である私も、イライラし、腹が立つことがあります。

また、「認知症になっても、その人らしさは消えない」という言葉も、私にはきれいごとにしか聞こえません。長年の習慣や気質が残り続ける人がいる一方で、その人らしさが消えてしまったとしか感じられない人も見てきたからです。一人ひとりの違いと、共同生活の中で周囲に生じる影響を、私は重く見ています。

●この記事でわかること

  • 少人数の認知症グループホームでも、一人への対応が現場全体に影響する理由
  • 「その人らしさは消えない」と、私には言い切れない理由
  • 説明や訴えへの対応と、食事・排泄介助が同時に重なる現実
  • 介護職のイライラや怒りと、教育・相談・管理の体制を考える必要性
  • 就職先や入居先を選ぶ前に確かめたい研修、相談、夜勤などの職員体制

介護職を目指す人にも、親の入居先を探している家族にも、「アットホーム」という言葉だけでは見えない現場を知ってほしいと思います。職員が日々の介護をどのような体制で支えているのかを確かめる手がかりとして、私の経験と考えをお読みください。

  1. 認知症グループホームは少人数で暮らす共同生活の場
    1. 一つの共同生活住居の入居定員は5〜9人
    2. 少人数だからこそ、一人の言動が全体へ影響する
  2. 「その人らしさは消えない」とは、私には言えない
    1. 長年の習慣や気質が残り続ける人もいる
    2. その人らしさが消えてしまったとしか言えない人もいる
    3. 「その人らしさ」は介護する側が作った人物像かもしれない
  3. 何度説明しても通じず、複数の対応が重なる現実
    1. 一人への対応だけで現場全体が振り回される
    2. 複数の利用者への対応と、食事・排泄介助が重なる
    3. 本人に悪意があるように見えなくても、周囲への影響は残る
  4. 介護職でも、イライラし、腹が立つ
    1. 介護職も、いつも穏やかでいられるわけではない
    2. 強い言葉や荒い介助を見たこともある
    3. 感情が存在しないふりをしても問題は解決しない
  5. 感情の問題を職員個人の責任だけにはできない
    1. 職員教育も心のケアもほとんどない職場がある
    2. 本部が現場を見に来ないことへの疑問
    3. 利益を優先していると私が感じる理由
    4. 現場の努力に頼り続ける体制には限界がある
  6. 介護職を目指す人に、働く前に確認してほしいこと
    1. 理念や「アットホーム」という言葉だけで選ばない
    2. 研修、相談体制、退職者数、夜勤体制を確認する
    3. 家族も職員体制と評価・改善内容を確かめる
  7. よくある質問
  8. まとめ|共同生活の難しさと、職員を支える体制を見てほしい

認知症グループホームは少人数で暮らす共同生活の場

認知症グループホームは少人数で暮らす共同生活の場

認知症グループホームは、認知症のある利用者が少人数で共同生活を送る場所です。家庭的な環境の下で、食事、排泄、入浴などの日常生活を支える介護が行われます。

ただし、利用者が少人数だからといって、介護業務が楽になるわけではありません。私が働いている現場でも、一人への対応に多くの時間と注意を取られ、その間に別の利用者への介助が必要になることがあります。

一つの共同生活住居の入居定員は5〜9人

指定地域密着型サービスの基準では、一つの共同生活住居の入居定員は5人以上9人以下とされています。これは一つの住居の定員であり、施設全体の人数や、その日に実際に暮らしている人数を表すものではありません。

大きな施設と比べれば、一つの住居で暮らす人数は多くありません。しかし、同じ居間や食堂で生活する利用者は、それぞれ違う状態にあり、必要な介助も違います。

少人数だからこそ、一人の言動が全体へ影響する

一人の利用者の訴えや行動が、他の利用者を不快にさせたり、不安にさせたりすることがあります。利用者同士の摩擦につながることもあります。

職員が一人へ対応している間も、他の利用者の生活は続いています。少人数であることは、一人ひとりの様子を把握しやすい面がある一方、一人の状態が周囲へ影響しやすい環境でもあると私は感じています。

「家庭的な施設」という説明だけでは、その生活空間で複数の利用者が一緒に暮らす難しさまでは分かりません。

「その人らしさは消えない」とは、私には言えない

「その人らしさは消えない」とは、私には言えない

介護の世界では、「認知症になっても、その人らしさは消えない」という言葉を耳にします。しかし、認知症グループホームで働いている私には、それはきれいごとにしか聞こえません。

認知症になったあとも、人間性が言葉や行動ににじみ出ている人がいます。一方で、その人らしさがどこかへ消えてしまったとしか感じられない人もいます。

両方の人を見てきたからこそ、私は一人ひとりの違いを重く見ています。全員を一つの言葉でまとめることに違和感があります。

長年の習慣や気質が残り続ける人もいる

その人の気質や、長年の生活で身についた習慣が、認知症になったあとも言葉や行動に現れることがあります。生活歴を思わせる動作や、人への接し方から、その人がどのように生きてきたのかを感じる場面もあります。

そのような人に接すると、認知症が進んでも、その人の人間性は残っているのだと感じます。

ただし、その現れ方は一人ひとり違います。私には、性格や生き方、認知症の進行具合などが重なって、違いが生じているように見えます。

その人らしさが消えてしまったとしか言えない人もいる

一方で、以前の本人を思わせる言葉や行動が断片的になり、一貫しなくなる人もいます。会話をしても話がかみ合わず、どこにその人らしさが現れているのか、私には分からなくなることがあります。

以前の習慣が一瞬だけ現れたとしても、それを拾い上げて「その人らしさは残っている」と結論づけてよいのか、私は疑問に思います。

私が接してきた人の中には、その人らしさが消えてしまったとしか感じられない人もいる。これが、私の見てきた現実です。

「その人らしさ」は介護する側が作った人物像かもしれない

「その人らしさ」を判断しているのは、多くの場合、周囲にいる家族や介護職です。家族が覚えている以前の本人と、今、目の前にいる本人が同じ状態とは限りません。

認知症介護情報ネットワーク(DCnet)の解説でも、家族や介護者が抱く本人像を押し付けていないかという問題が提起されています。これは、2008年の講演抄録を基に、周囲による本人の捉え方を問い直した専門家の考察です。

私は、過去の習慣や性格の一部を拾い、周囲が「これがこの人らしさだ」と決めている可能性もあると思います。

人間性がにじみ出ている人も、その人らしさが消えたとしか感じられない人もいる。その違いを見ずに「その人らしさは消えない」と言い切ることは、少なくとも私にはできません。

何度説明しても通じず、複数の対応が重なる現実

何度説明しても通じず、複数の対応が重なる現実

認知症グループホームの現場には、「対応が難しい」という言葉だけでは大変さが伝わらない場面があります。

こちらが説明しても理解してもらえない。話がかみ合わない。同じ訴えが繰り返される。その間にも、別の利用者が職員の対応を必要としています。

一人への対応だけで現場全体が振り回される

たった一人への対応で、その時間帯の現場全体が振り回されることはあります。一人に多くの時間と注意を取られても、他の利用者への介護を止めることはできません。

食事、排泄、入浴など、それぞれに必要な介助があります。説明が通じないからといって、その人への対応を投げ出すこともできません。

一人への対応を続けながら、他の利用者の生活も支える。この重なりが、少人数の共同生活の場で働く難しさです。

複数の利用者への対応と、食事・排泄介助が重なる

私の勤務中にも、一人の利用者へ説明している途中で、別の利用者から呼ばれることがあります。さらに、食事や排泄の介助も重なります。

一人だけでも説明が通じずに時間を取られることがあります。それが複数人に重なり、それぞれが自分の訴えを続ければ、職員の負担は一気に大きくなります。

話を聞いている途中にも、他の利用者への介助が必要になります。一人の話を最後まで聞くことさえ難しくなる場面があります。

繰り返される「家に帰りたい」という訴えへの私の向き合い方は、「家に帰りたい」と訴える利用者への対応で詳しく書いています。

「家に帰りたい」と訴える認知症の利用者に、介護職の私はどう向き合っているか
認知症グループホームでは、利用者から「家に帰りたい」と繰り返し訴えられることがあります。私の勤務経験では、こうした訴えは午後から夕方にかけて多くなります。その表れ方はさまざまで、怒り出す人、泣き出す人、出口を探して歩き回る人、暴力的な行動を…

本人に悪意があるように見えなくても、周囲への影響は残る

私が現場で接している限り、利用者が職員や他の利用者を困らせようとしているようには見えません。

しかし、同じ要求が繰り返されたり、他の利用者への気遣いができなくなったりすれば、周囲に影響は出ます。利用者同士の摩擦が起きることもあります。

本人に悪意がないように見えても、他の利用者が感じる不快感や、対応する職員の負担がなくなるわけではありません。本人への対応と、周囲の人の生活を同時に考えなければならないのです。

介護職でも、イライラし、腹が立つ

介護職でも、イライラし、腹が立つ

介護職も人間です。何度説明しても理解してもらえず、話がかみ合わない状況が続けば、イライラすることがあります。腹が立つこともあります。

私は感情を抑えながら勤務していますが、イライラや怒りそのものがなくなるわけではありません。

介護職も、いつも穏やかでいられるわけではない

複数の利用者への対応と介助が重なれば、気持ちの余裕も失われていきます。

利用者に腹を立ててはいけないと言うだけなら簡単です。それでも、職員の側に疲れや怒りが生じる現実はあります。

「介護職なら、どのような状況でも穏やかでいられるはずだ」という前提では、現場で起きていることを説明できないと私は思います。

強い言葉や荒い介助を見たこともある

多くの職員は、腹が立っても感情を抑えながら働いています。しかし、少数ではあるものの、利用者へ相当ひどい言葉を返したり、介助の仕方が荒くなったりする職員を、私は実際に見てきました。

疲れや怒りがあることと、それを利用者へぶつけることは別です。職員の負担が大きいからといって、ひどい言葉や荒い介助が許されるわけではありません。

その職員の言動を確かめるとともに、教育や相談、管理の体制にも問題がなかったかを確かめる必要があります。どのような体制で働き、困ったときに支えを受けられたのかも見なければなりません。

感情が存在しないふりをしても問題は解決しない

私は、イライラや怒りを口にすることまで否定するのではなく、強い言葉や荒い介助へ向かう前に、職員が相談できることが必要だと思います。

感情を隠したからといって、負担が消えるわけではありません。何に困っているのか、どの対応が重なっているのかを話せなければ、周囲も支えにくくなります。

職員には自分の言動をコントロールする責任があります。その責任を果たせるように支えることも、職場の役割だと私は考えています。

感情の問題を職員個人の責任だけにはできない

感情の問題を職員個人の責任だけにはできない

不適切な言葉や介助を行った職員の責任はなくなりません。しかし、職員一人の問題として片付ければ、教育、相談、人員配置、管理の問題が見えなくなります。

厚生労働省の令和6年度高齢者虐待対応状況調査では、施設・事業所の従事者等による虐待が認められた1,220件について、発生要因として「職員のストレス・感情コントロール」が62.5%、「職員の指導管理体制が不十分」が61.9%挙げられています。

これは、自治体への調査による複数回答の結果です。介護職全体やグループホーム全体の割合ではなく、この数字だけで発生の因果関係を証明できるものでもありません。それでも、調査では職員側の課題と、組織の指導管理の課題の両方が挙げられています。

職員教育も心のケアもほとんどない職場がある

私が働いている施設では、現場で役立つ十分な教育も、職員の心を支える仕組みも、ほとんどないと感じています。

認知症の利用者へどのように対応するか。利用者同士の摩擦が起きたときにどうするか。怒りを抑えられなくなりそうなとき、誰に相談できるか。そうした問題に対する支えが足りないと感じます。

運営基準では、事業者に職員の研修機会を確保することが求められています。研修の機会を設けることに加え、現場で困る場面を扱い、日々の対応に生かせる内容であることが大切だと思います。

私が知りたいのは、現場で本当に困っている状況を取り上げ、具体的な対応を一緒に考えられるかということです。疲れや怒りを相談し、限界に達する前に支えてもらえる仕組みも必要だと思います。

本部が現場を見に来ないことへの疑問

少なくとも私が把握している範囲では、事業所の本部の人が施設の現場を見に来たことは一度もありません。

一人への対応に注意が集中している間も、別の利用者が介助を必要としている。一人の訴えだけではなく、複数の訴えが重なり、職員に余裕がなくなる。そのような日々の実情を、本部がどこまで理解しているのか、私には分かりません。

書類や報告で把握できることはあるでしょう。それでも、私は実際の現場を見て、職員が何に困っているのかを確かめてほしいと思っています。

利益を優先していると私が感じる理由

私は、勤務先の経営者について、福祉事業を営利目的でしか考えていないのではないかと思っています。

本部が現場を見に来ない。職員教育や心のケアが十分ではない。不十分な体制の下で、現場を維持する責任を職員が引き受けている。そうした状況から、利用者への介護や職員の状態より、利益を残すことを優先しているように感じるのです。

介護事業にも経営は必要です。しかし、必要な教育や支援が不足したまま、現場の努力に頼り続ける運営には疑問があります。これは、現場で働く私の評価です。

現場の努力に頼り続ける体制には限界がある

不十分な体制でも、利用者の生活は続きます。食事や排泄の介助を放置することはできません。複数の訴えが重なっても、その場にいる職員が対応しなければなりません。

そのような状況でも、多くの職員が真面目に働き、日々の介護を続けています。しかし、職員の責任感で不足を埋め続けることを、十分な体制があることと同じにしてはいけないと思います。

私は、職員個人の努力だけに頼る働き方には限界があると感じています。現場で何が重なり、何が足りないのかを把握し、教育や相談、応援の体制を整えることが必要です。

介護職を目指す人に、働く前に確認してほしいこと

介護職を目指す人に、働く前に確認してほしいこと

認知症グループホームで働くことを考えている人には、少人数で家庭的な施設という説明に加え、職員がどのような体制で働いているのかを確かめてほしいと思います。

一人への対応に時間を取られ、複数の利用者への介助が重なる場面で、どのような支えを受けられるか。働く前に、その具体的な体制まで知っておくことが大切だと思います。

理念や「アットホーム」という言葉だけで選ばない

「家庭的な雰囲気」「利用者に寄り添う介護」という理念も大切です。しかし、その理念を実行できる人員や教育、相談の体制があるかまで見なければなりません。

可能であれば、応募前や面接時に見学し、利用者の様子とともに、職員の表情や言葉遣い、職員同士の声の掛け方を見てください。

見学した一場面だけで職場全体を判断することはできません。慌ただしさがその時間帯だけなのか、日常的に続いているのか、困ったときに誰が応援するのかを尋ねると、具体的な体制を確認しやすくなります。

研修、相談体制、退職者数、夜勤体制を確認する

面接では、仕事内容や給与とともに、次の点を尋ねてほしいと思います。

  • 認知症介護の研修では、どのような場面を扱うのか。頻度と、勤務時間内に受けられるか。
  • 入職後、独り立ちするまで誰がどのように指導するのか。
  • 対応に困ったときや、気持ちに余裕がなくなったとき、誰へ相談できるのか。
  • 職員同士で具体的な事例を振り返る機会があるか。
  • 過去一年ほどの入職者数と退職者数は、職員全体の人数に対してどのくらいか。
  • 夜勤は何人体制で、何人の利用者を担当するのか。休憩は実際に取れるか。
  • 急変や事故が起きたとき、誰へ連絡し、どのような応援を受けられるか。
  • 欠勤者が出たとき、どのように人員を補うのか。

研修や相談窓口の有無だけでは、実際の支え方までは分かりません。扱う内容や相談できる時間帯、夜勤中の連絡先まで、具体的に確かめることが大切だと思います。

運営基準では、管理者に認知症介護の経験3年以上と所定の研修修了が求められています。ただし、経験や研修歴があることだけで、現場の職員への支援が十分かどうかは分かりません。

退職者数も、人数だけで良し悪しを決めず、職員全体の規模や退職理由の説明と合わせて見る必要があります。見学で分からなかったことを質問し、実際にどのような支えがあるのかを確認してほしいと思います。

家族も職員体制と評価・改善内容を確かめる

親の入居先を探している家族にも、施設の雰囲気や建物のきれいさだけで決めてほしくありません。見学時の状態だけでは、食事前後や夜間の体制までは分からないからです。

厚生労働省の公表制度に関する説明では、介護サービス情報公表システムに、事業所の入退職者数や研修計画等を集約して公開することが示されています。公表資料の対象時点も確かめ、現在の状況は施設へ尋ねてください。

見学では、例えば次の点を確認できます。

  • 夜間は何人の職員が、何人の利用者を担当しているか。
  • 職員が急に休んだとき、誰が補うのか。
  • 利用者同士の摩擦が起きたとき、どのように対応するのか。
  • 家族からの相談や苦情は、誰が受けるのか。
  • どの方法でサービスの評価を受け、指摘された点をどう改善したのか。

運営基準では、サービスの評価について、外部の者による評価と、運営推進会議による評価の選択肢が示されています。外部評価の有無だけで判断せず、評価結果と改善内容を見せてもらうことが、施設を知る手がかりになります。

働く側も、家族も、その施設で日々の生活を支えられる体制があるかを確かめる必要があります。少人数で家庭的な施設という言葉の奥にある、現場の動きまで見てほしいと思います。

よくある質問

Q:認知症グループホームでは、介護職はどのような仕事をしますか?

A: 食事、排泄、入浴などの介助を含め、共同生活に必要な日常生活の支援を行います。私の勤務中にも、一人の利用者への説明や訴えへの対応と、他の利用者への介助が重なることがあります。

Q:認知症になっても、その人らしさは残りますか?

A: 私が接してきた人の中には、長年の習慣や気質が言葉や行動に現れる人も、その人らしさが消えてしまったとしか感じられない人もいます。両方の人を見てきたため、私は「その人らしさは消えない」と全員を一つの言葉でまとめることに違和感があります。

Q:少人数のグループホームでも、仕事がきついことはありますか?

A: 私の働く現場では、きつい場面があります。何度説明しても話がかみ合わず、複数の利用者への対応と食事・排泄介助が重なると、気持ちの余裕も失われます。少人数という説明に加え、困ったときに職員を支える体制まで確かめてほしいと思います。

Q:認知症グループホームへ就職する前に、何を確認すればよいですか?

A: 研修の内容と頻度、入職後の指導、相談先、職員全体の規模と入退職者数、夜勤の職員数と担当する利用者数、緊急時や欠勤時の応援体制です。研修や相談窓口の有無に加え、実際にどう支えてもらえるかを尋ねてください。家族が入居先を探す場合も、夜間や欠勤時の体制、評価結果と改善内容を確認してほしいと思います。

まとめ|共同生活の難しさと、職員を支える体制を見てほしい

まとめ|共同生活の難しさと、職員を支える体制を見てほしい

認知症グループホームで働く私が見てきたのは、少人数で家庭的という説明だけでは伝わらない現実です。一人ひとりの状態が違い、複数の利用者の生活が同時に動く中で、職員は日々の介護を続けています。

  • 一人の訴えや行動が、他の利用者の生活や職員の対応にも影響することがあります。
  • その人らしさが残っていると感じる人も、消えてしまったとしか感じられない人もいるため、私は全員を一つの言葉でまとめられません。
  • 説明が通じず、同じ訴えが繰り返される間にも、別の呼び出しや食事・排泄介助が重なります。
  • 介護職でもイライラし、腹が立つことがあります。その感情を利用者へぶつけ、ひどい言葉や荒い介助をすることは許されません。
  • 職員の言動を確かめるとともに、教育・相談・管理の体制も見なければならないと私は考えています。
  • 働く側も入居先を探す家族も、研修の内容、夜勤や応援の体制、職員の入れ替わり、評価結果と改善内容を具体的に確かめてほしいと思います。

私の勤務先では、十分な教育や心のケアがあるとは感じられず、私の知る限り、本部が現場を見に来たこともありません。職員の努力に頼り続ける運営に、私は疑問を持っています。介護職を目指す人や親の入居先を探す家族には、共同生活の難しさと、その日々を支える職員体制の両方を見てほしいと思います。

繰り返される「家に帰りたい」という訴えへの私の向き合い方は、「家に帰りたい」と訴える利用者への対応で詳しく書いています。具体的な対応については、こちらも合わせてお読みください。

「家に帰りたい」と訴える認知症の利用者に、介護職の私はどう向き合っているか
認知症グループホームでは、利用者から「家に帰りたい」と繰り返し訴えられることがあります。私の勤務経験では、こうした訴えは午後から夕方にかけて多くなります。その表れ方はさまざまで、怒り出す人、泣き出す人、出口を探して歩き回る人、暴力的な行動を…
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