親のエンディングノート|必要性の考え方と確認したい5つの項目

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親のエンディングノート|必要性の考え方と確認したい5つの項目

親のエンディングノートを用意するとき、親に確認することは何でしょうか。連絡先や財産だけでよいのか、介護や医療、葬儀の希望まで尋ねるのか。項目が多いと、どこから手を付ければよいか迷うことがあります。

別記事「親の終活は何から始める?話の切り出し方と確認しておきたいこと」では、終活全体の話し合い方を扱っています。一方、この記事では、親とエンディングノートに何を記録するかに焦点を当てます。親が家族に伝えておきたい情報や希望を、書ける範囲で確認するための内容です。最初からすべてを埋める必要はありません。

私の両親はエンディングノートを残しておらず、相続にあたって「書いておいてほしかった」と感じることもありませんでした。この記事では、その経験と必要性についての私の考えを交えながら、親と記録を残す場合の項目や進め方を整理します。

●この記事でわかること

  • 両親の書き残しがなかった私の経験と、必要性についての考え
  • 親と確認したい連絡先・財産・介護・医療・葬儀などの項目
  • 書けるところから始め、家族と共有し、見直す手順
  • 遺言との違いと、暗証番号などを記録する際の注意点

家族に何を伝えておきたいかは、家庭の事情や親の希望によって違います。自分たちが残しておきたい情報はどれかを考えながら、確認する項目を見ていきましょう。

私の両親はエンディングノートを残していなかった

私の両親はエンディングノートを残していなかった

私の両親は、エンディングノートを書いていませんでした。それ以外にも、家族に伝えるために情報を書き残したという類のものはありません。

相続で「書いておいてほしかった」と感じることはなかった

親が残した財産は、少しの預金と自宅、小さな畑程度でした。株などの投資や隠し財産のようなものはなく、相続で悩みそうなほど多くの不動産を持っていたわけでもありません。

そのような財産状況だったので、相続にあたって、私には「これを書いておいてほしかった」と感じることもありませんでした。

相続が複雑になりそうなら、記録を残した方がよいと思う

一方で、相続のときにややこしくなりそうな場合は、エンディングノートのようなものを必ず残しておいた方がよいと、私は考えています。

ごく普通の家であれば、さほど必要ではないかもしれないとも思っています。

そのうえで、親と記録を残そうと考えている方に向けて、確認する項目や書き進め方を整理します。財産に関する情報のほか、暮らしや介護についての希望など、何を残したいかを考える際の参考にしてください。

親とエンディングノートに記録するなら確認したい5つの項目

親とエンディングノートに記録するなら確認したい5つの項目

自治体が公開するノートも参考になります。例えば、横浜市泉区の「わたしの人生計画帳」には、連絡先、財産、医療・介護、葬儀などの記入欄があります。

ここでは、親と確認する内容を5つに分けて紹介します。家族に伝えておきたいことがどこにあるかを考えながら、必要な項目を選んでください。

家族・親族などの連絡先

連絡してほしい家族や親族、親しい友人などについて、名前、本人との関係、電話番号を確認します。緊急時にまず連絡してほしい人も分かるようにしておくと、記録を使う場面が明確になります。

全ての知人を網羅することより、親が誰に知らせてほしいと思っているかを確かめるところから始めてはどうでしょうか。

預金・不動産・保険などの財産や契約

預金のある金融機関、不動産、加入している保険など、どのような財産や契約があるかを整理する項目です。該当する場合には、証券口座や借入れ、定期的に支払いがある契約なども確認候補になります。

まずは「何があるのか」「どこに問い合わせればよいか」を把握するための記録と考えると、内容を絞りやすくなります。重要書類の所在を家族に伝える際は、誰がその情報を見るのかも考えてください。暗証番号などの扱いは、後の注意点で触れます。

これからの暮らしと介護の希望

介護が必要になった場合に、どこで暮らしたいか、どのような支援を受けたいか。親に希望があれば、記録する候補になります。

場所の希望とともに、暮らしの中で何を大切にしたいかも尋ねてみてはどうでしょうか。書いたとおりの暮らしが必ず実現するという約束にはせず、今の考えを家族が知るための記録として扱います。

医療についての希望と相談したい人

医療については、受けたい医療やケア、療養中に大切にしたいこと、相談したい人などを考えるきっかけにできます。すぐに答えが出ないことまで、無理に決める必要はありません。

厚生労働省は、望む医療やケアを前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取組を「人生会議」としています。

ノートに記した希望は、話し合いの際にも共有します。治療について分からないことや迷っていることがあれば、その点も医療者に相談する内容として残しておくとよいでしょう。

葬儀やお墓について伝えておきたいこと

葬儀の形やお墓について希望がある場合は、その内容を確認します。既に契約していることや、家族に知らせておきたい連絡先があれば、併せて整理する項目です。

特に希望がないのか、家族に任せたいのか、まだ考えていないのか。そこも親に確かめ、分かった範囲で記す方法があります。空欄を見ただけで、家族に任せるつもりだと決めつけないようにします。

親と書き進めるときは、書ける項目から始める

親と書き進めるときは、書ける項目から始める

泉区のノートでは、書きたい部分から始め、気持ちが変われば書き直す使い方が案内されています。これを参考に、親と一緒に進める場合の手順を整理します。

一度に埋めず、本人に確認できたことを書く

最初は、親が話しやすい項目や、家族に伝えておきたいと感じていることを一つ選びます。連絡先など、既に分かっている情報から始める方法もあります。

まだ決めていない項目は、そのまま残して構いません。家族が記入を手伝う場合も、親の希望を確かめながら書き進めます。「きっとこう思っているだろう」という推測で、本人の希望を埋めないことが大切です。

記入日を残し、共有する相手と保管方法を決める

いつの情報や希望なのかが分かるよう、記入日を付けます。そのうえで、誰に見てもらうか、どこに保管するかを親と考えます。

家族に伝えるための記録なら、その存在を必要な人が知っていることも大切です。ただし、内容の全てを同じ範囲に共有する必要はありません。連絡先や医療の希望、財産に関する情報では、伝える相手を分ける方法もあります。

情報や希望が変わったら見直す

連絡先や契約が変わったとき、介護や医療についての考えが変わったときには、記録も見直します。変更した日を記し、以前の内容を伝えた相手にも変更を知らせるとよいでしょう。

厚生労働省の人生会議の案内でも、気持ちは変わることがあり、繰り返し話し合うことが大切だとされています。一度書いた希望に、親を縛るような使い方にはしないようにします。

エンディングノートに書くときに気をつけたいこと

エンディングノートに書くときに気をつけたいこと

記録を残す際には、ノートの役割と情報の扱いも確認しておきたいところです。

財産の分け方を書くだけで遺言書の代わりになるわけではない

エンディングノートに財産の分け方を記入しただけで、遺言書と同じ法的効力が生じるわけではありません。泉区の資料でも、遺言書との違いが説明されています。

財産の分け方について法的な効力を持たせたい場合は、ノートを埋めれば済むと考えず、遺言について法律の専門家に相談することを検討してください。

暗証番号などを共有するノートにまとめない

同じ資料では、悪用を避けるため、通帳や銀行印の保管場所、暗証番号を書かない方がよいと注意を促しています。

書類の所在を必要な家族に伝える場合も、広く共有するノートに全て書き込むこととは分けて考えます。誰に、どのように伝えるかを親と相談し、見てもらう相手に合わせて記録する内容を選んでください。

よくある質問

Q:親のエンディングノートは必ず用意した方がよいですか?

A: 私は、相続が複雑になりそうな場合は残した方がよいと思っています。一方、ごく普通の家ではさほど必要ではないかもしれないとも考えています。自分の両親には書き残しがなく、相続で「書いておいてほしかった」と感じることもありませんでした。用意するかを考える際は、親が家族に伝えておきたい情報や希望があるか、確認してみてください。

Q:全部の項目を埋める必要がありますか?

A: 最初から全て埋める必要はありません。書けるところから始め、まだ決めていないことは残しておく方法があります。気持ちが変わった場合は、記入日や変更日とともに内容を見直してください。

Q:親が自分で書きにくい場合、家族が手伝ってもよいですか?

A: 情報や希望を整理するメモとして、親に内容を確かめながら家族が記入を手伝う方法があります。家族の推測を親の希望として書かないようにします。ここで扱っているのはノートの記入補助です。遺言書の作成には別の確認が必要です。

まとめ|親と残しておきたい情報を、書ける範囲で記録する

まとめ|親と残しておきたい情報を、書ける範囲で記録する

私の両親はエンディングノートを残しておらず、相続にあたって書いておいてほしかったと感じることもありませんでした。記録を残すかどうかを考えている方に向けて、今回の要点をまとめます。

  • 私は、相続が複雑になりそうな場合は記録を残した方がよいと思っています。
  • 記録するなら、連絡先・財産や契約・介護・医療・葬儀などから必要な項目を選びます。
  • 親に確認できたことを、書ける範囲で記入し、日付を残します。
  • 情報や希望が変わったら見直し、必要な相手と共有します。
  • 財産の分け方をノートに記入しただけで、遺言書の代わりになるわけではありません。
  • 暗証番号などの機密情報は、広く共有するノートにまとめないようにします。

ごく普通の家では、さほど必要ではないかもしれないというのが私の考えです。そのうえで記録を残すなら、親が伝えておきたいことと、家族が確認しておきたいことを話し合い、必要な内容を選んでいく方法があります。

記録を残してみたい方は、本文で紹介した横浜市泉区のエンディングノート(PDF)を参考に、親と確認したい項目を一つ選ぶところから始めてみてください。

情報確認日:2026年9月6日

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